SAAに受かって、次はSOAかDVAかで迷っている方は多いと思います。私もそうでした。私の仕事はAWSでサーバーの構築や監視まわりが中心だったので、運用にフォーカスしたSOAを選びました。結果的にこれが正解で、普段の業務で触っているサービスがそのまま出題されるので、勉強していて「あ、これ知ってる」という場面が多かったです。
AWS CloudOps Engineer(以前はSysOps Administrator、通称SOA)は、AWSの運用・監視・自動化スキルを問うAssociateレベルの資格です。2025年9月に名称が変わりましたが、試験コードは引き続きSOAです。
SAAが「どう設計するか」を問う試験なら、こちらは「動いているシステムをどう守るか」を問う試験です。アソシエイト3資格の中では一番難しいと言われていますが、インフラ経験者なら正直そこまで身構える必要はありません。
受験料は150 USD(20,000円)、勉強時間は経験者で20〜40時間、未経験からでも100〜120時間で合格圏です。
CloudOps Engineer(SOA)とは

SAA(設計)・DVA(開発)と並ぶAssociateレベル3資格のうち、唯一「運用」にフォーカスした試験です。監視、障害対応、デプロイ自動化、セキュリティ運用など、稼働中のAWS環境を安全に保つスキルが問われます。
2025年9月に「SysOps Administrator」から「CloudOps Engineer」に名称変更されました(AWS公式)。AWS公式は「運用経験1年程度」を推奨していますが、前提条件はありません。
SAAを持っている方なら、試験範囲を見た瞬間に「あ、業務でやってるやつだ」と思うはずです。
取得するメリット

この資格を取得すると何が良いかというと、「設計だけでなく運用もできるエンジニア」の証明が手に入ることです。
SAAを持っている人は増えていて、正直「AWSで設計ができます」だけだと差が付きにくくなっています。
でも、障害が起きたときにCloudWatchのアラームを見て原因を切り分けて、SSMで復旧手順を流せる人は意外と少ないです。それを証明できるのがこの資格の強みです。
実際にインフラエンジニアやSREの求人を見ると、SAAとこの資格の両方を歓迎条件に挙げているケースが多いです。「AWS認定歓迎」と書いてある求人の大半は、この2つを想定しています。
キャリアの活かし方としては3つあります。
- SAA・DVAと合わせてAssociate三冠を狙えます。設計・開発・運用の3視点でAWSをカバーしている証明になります
- DevOps Professional(DOP)への足がかりになります。DOPの試験範囲はこの資格と重なる部分が多く、学んだ知識がそのまま使えます
- 社内でのAWS運用案件のリーダーポジションにアサインされやすくなります
個人的には、DOPへの足がかりになったのが一番大きかったです。SOAの勉強内容がそのままDOPで使えたので、2資格分の勉強をしている感覚はありませんでした。
実務で助かった場面もあります。あるプロジェクトで、ドキュメントが一切ないレガシーAWS環境(3環境、EC2約10台、Lambda約10関数)を引き継ぎました。前任のインフラエンジニアは全員離任済みで、誰に聞いても「よくわからない」状態です。このとき、CloudTrailで過去の変更履歴を辿って「誰がいつ何を変えたか」を洗い出しました。AWS Configで各リソースの現在の設定状態も確認できたので、ドキュメントがなくても環境の全体像を把握できました。最終的に1人で本番環境の構築からリリースまで完遂できたのですが、SOAの勉強でCloudTrailとConfigの使い分けを叩き込んでいなかったら、調査だけで何週間もかかっていたと思います。
試験概要
項目 | 内容 |
|---|---|
試験名 | AWS Certified CloudOps Engineer - Associate (SOA-C03) |
問題数 | 65問(択一 or 複数選択) |
試験時間 | 130分 |
合格点 | 720/1000点 |
受験料 | 150 USD(20,000円) |
受験方法 | ピアソンVUE テストセンター or オンライン |
出題形式 | 全問選択式 |
受験開始日 | 2025年9月30日 |
出典: AWS公式 試験ページ
出題は5つのドメインに分かれています。
# | ドメイン | 配分 |
|---|---|---|
D1 | モニタリング、ログ記録、分析、修復、パフォーマンスの最適化 | 22% |
D2 | 信頼性と事業の継続性 | 22% |
D3 | デプロイ、プロビジョニング、オートメーション | 22% |
D4 | セキュリティとコンプライアンス | 16% |
D5 | ネットワークとコンテンツ配信 | 18% |
全問選択式で、ハンズオン形式の出題はありません。試験範囲にはコンテナ(ECS/EKS)やCDKなど新しいサービスも入っていますが、合格者の体感では出題の中心は従来のCloudWatch/SSM/VPC/IAMです。新サービスは全体の1〜2割程度でした。
SAAとの違い

SAAとは試験形式(65問/130分/720点合格)こそ同じですが、問われる角度がまるで違います。
SAAは「この要件に合うサービスはどれか」を選ぶ設計の試験です。こちらは「そのサービスをどう設定し、障害が起きたらどう対処するか」を問う運用の試験です。同じサービスが題材でも、問われるポイントが変わります。
- Auto Scaling: SAAでは「どのスケーリングポリシーを選ぶか」ですが、こちらでは「スケーリングイベントの監視とトラブルシュート」が中心です
- VPC: SAAでは「サブネット設計」、こちらでは「フローログ分析やNACLの設定変更」が問われます
- IAM: SAAでは「ポリシー設計」、こちらでは「アクセス拒否の原因調査」です
SAAの勉強では「SSMって何するサービスだっけ」くらいの認識だったのが、この試験ではSSMの各機能の使い分けまで問われます。ここが一番ギャップを感じたところです。
CloudWatch、AWS Config、AWS Organizationsも同様です。SAAでは軽く流すこれらのサービスが、こちらでは主役級になります。nifty社の合格体験記でも「SSMとOrganizationsの出題頻度が想像以上」と報告されています。
英語圏の合格者は「出題はSAA 70% + DVA 30%の組み合わせだが、深さは一段上」と表現しています(Reddit体験談)。なので、SAAの知識は7割くらいそのまま使えます。ただ、残り3割の運用固有の部分は別途学ぶ必要があります。
SOAとDVA、どちらを先に受けるべきか

SAAとの違いはわかりました。でも「じゃあDVAとどっちを先に受けるか」が残っています。冒頭で書いた通り、私は普段AWSでサーバーの構築や監視まわりの仕事をしていたのでSOAを選びました。
ひとことで言うと、SOAは「動いているシステムを守る」試験、DVAは「コードでシステムを作る」試験です。同じサービスでも問われる角度がまるで違います。
- Lambda: SOAでは「障害時の監視と復旧」、DVAでは「デプロイとバージョン管理」
- IAM: SOAでは「アクセス拒否の原因調査」、DVAでは「ポリシーの記述と設定」
- CloudFormation: SOAでは「スタックの運用とトラブルシュート」、DVAでは「テンプレートの書き方」
仕事でCloudWatchのダッシュボードやSSMのRun Commandを触っている方はSOAが馴染みます。LambdaやAPI Gateway、DynamoDBでアプリを書いている方はDVAの方が取り組みやすいです。
どちらが馴染むかに加えて、難易度の差も判断材料になります。SOAの方が上です。アソシエイト三冠の体験記ではDVAは1ヶ月で合格、SOAは3ヶ月かかった(1回不合格)と報告されています。SOAの方が「正解を1つに絞れない」問題が多く、この差は他の体験記でも共通しています。
では、どちらを先に受けるか。受験順序の定番はCLF → SAA → SOA → DVAです(5試験合格者も同じ順序を推奨)。ただ、これは運用・監視が中心の人向けの順序で、普段コードを書く仕事ならSAA → DVA → SOAでも構いません。
私はSOA → DVAの順でしたが、SOAで学んだ運用の知識がDVAのCI/CDの問題にも使えました。どちらから受けても片方の知識が無駄になることはありません。迷ったら、普段の仕事で触っているサービスが多い方を先にしてください。
難易度と合格率
DVAより難しいという話をしましたが、具体的にどのくらいか。合格体験記を集めてみると、アソシエイト3資格の中でこの試験が一番難しいという声が多いです。
nokonokonetwork.comの独自調査(30件の合格体験記を分析、2023年12月公開)では、回答者の約60%がこの試験を「難しい」と評価しています。SAA(約40%)やDVA(約35%)と比べて明らかに高い数値です。
なぜ難しいかというと、「正解を1つに絞れない」問題が多いからです。SAAなら正しいサービスを選べば正解ですが、こちらは「どちらも正しいけど、この状況ではどちらが最適か」を判断させる問題が中心です。
blog.future.ad.jpの体験記でも「2択まで絞れるけど最適解を選ぶのが難しい」と書かれていて、これは本当にその通りでした。
ただ、インフラの実務経験がある人なら話は別です。「業務で似たような判断をしたことがある」問題が多いので、体感の難易度はかなり下がります。
逆に、SAAから直行で実務経験がない方は「この状況でSSMのどの機能を使う?」と聞かれてもピンとこないはずです。
英語圏のデータでは「模試85%以上で安心して受験できる」(Reddit: 920点合格者)、「模試72%でギリギリ合格」(Reddit: 745点合格者)との報告もあります。模試で正答率80%を安定して出せれば合格圏です。
合格体験記

私はインフラ経験ありの状態で、問題集だけを使って約20時間、778点で合格しました。勉強の進め方やドメイン別の体感をまとめます。
受験前のレベル
インフラエンジニアとして、CloudWatch・Auto Scaling・SSMを日常的に使っていました。SAAは取得済みです。主要サービスは一通り触ったことがありましたが、AWS ConfigやOrganizationsの細かい設定は未経験でした。
勉強の進め方
使った教材は問題集だけです。通勤電車でスマホを使って解くスタイルで、約2週間、合計20時間ほどで本番に臨みました。
1周目はとにかく全問解いて弱点を把握しました。初回の正答率は65%。「SAAの延長でいけるだろう」と思っていたので、正直焦りました。
D1(モニタリング)やD3(デプロイ)は業務で触っている範囲なので8割取れました。ただ、D4(セキュリティ)のConfigルールやSCPの設計問題にはまったく歯が立ちませんでした。
2周目は間違えた問題だけを繰り返しました。解説で「なぜこの選択肢が最適なのか」を理解する作業を続けて、80%まで上がりました。この「なぜ最適か」を考える作業が一番力になりました。答えを覚えるのではなく、判断の軸を身につける感覚です。
3周目は模試で仕上げです。88%まで安定したところで受験を決めて、結果は778点でした。
ドメイン別の体感
- D1(モニタリング): 一番楽でした。CloudWatchアラームやログ分析は業務の延長です
- D2(信頼性): Auto Scalingの問題はSAAの知識で対応できました。マルチリージョンの障害復旧は少し考えました
- D3(デプロイ・自動化): CloudFormationは使い慣れた範囲です。CDKの出題が新鮮でした
- D4(セキュリティ): 一番苦労しました。ConfigルールやSCPの設計は実務経験がないと厳しいと感じます
- D5(ネットワーク): VPCフローログの分析は実務経験で対応できました
他の合格者のデータ
私だけが特殊というわけではありません。nifty社のエンジニアもSAA持ち+実務経験ありで20時間・3週間で合格しています。5試験合格者の分析でもSOA単体の勉強時間は25〜35時間とのことでした。
一方で、じっくり準備するアプローチもあります。920点合格のRedditユーザーは80時間かけて模試85%以上まで仕上げています。高得点を狙いたい方はこちらが参考になります。
これから受験する方へ
インフラの実務経験がある方は、問題集1本で十分です。まず1周解いて正答率を確認してみてください。70%以上あれば20〜30時間で合格圏に届きます。
未経験からの方は、先にCLFとSAAを取ってから挑戦するのが確実です。例えばSSMのRun CommandとSession Managerの違いを問われても、SSM自体を知らなければ問題文の意味がわかりません。CLF → SAAの順で基礎を固めてから臨んでください。
勉強時間の目安

経験レベルで20〜120時間と幅があります。
あなたのレベル | 目安 | 根拠 |
|---|---|---|
インフラ経験者 | 20-40時間 | 筆者: 20h/778点、nifty記事: 20h/3週間合格 |
SAA取得済み | 40-60時間 | note 5試験合格記事: SOA単体25-35h |
AWS未経験 | 100-120時間 | nokonokonetwork調査(30件分析、2023年12月公開): 30-120h |
nokonokonetworkの調査(30件の合格体験記を分析、2023年12月公開)では受験者の62%が1〜2ヶ月の学習期間で合格しています。
SAAに受かった直後から始めるのがベストです。間を空けると基礎知識を忘れてしまうので、勉強時間が余計にかかります。
おすすめの勉強方法
合格体験記を読み漁った感触と自分の経験を合わせると、レベルによってやるべきことがかなり違います。
- インフラ経験者 → 問題集だけで2〜3週間。参考書や動画は要りません。業務で触っているサービスの問題は解説を読まなくてもわかるので、知らない分野だけ集中すれば十分です
- SAA取得済み → 問題集をベースに、SSM・Config・Organizationsを重点的に。SAAの知識で7割はカバーできるので、残り3割を1〜1.5ヶ月で埋めるイメージです
- AWS未経験 → いきなり受けるのはおすすめしません。CLF → SAA → この試験の順に受けてください。遠回りに見えますが、結局はこれが一番早いです
どのレベルでも、参考書を読む時間より問題を解く時間を多く取ったほうがいいです。体感では3:7くらい。模試で80%を安定して取れるようになれば本番へ臨んで大丈夫です。
おすすめ教材
正直、教材は選べるほど種類がありません。SAAと比べると明らかに少ないです。その中で合格者がよく使っているものをまとめました。
教材 | 種類 | 特徴 | 価格帯 |
|---|---|---|---|
AWS認定資格試験テキスト SOA | 参考書 | 全ドメイン網羅 | 約3,000円 |
Udemy SOA対策コース | 動画講座 | 基礎からの体系的学習 | セール時1,500-2,000円 |
Web問題集 | 本試験モードで実戦練習。無料問題あり | 無料〜有料 | |
Web問題集 | AI解説付き、スマホ対応 ※当サイト運営 | 月額1,280円 | |
公式教材 | 公式模擬試験20問が無料 | 無料 |
ただ、新たにスコープ入りしたサービス(ECS/EKS、CDK、Managed Grafana等)は既存教材だけではカバーしきれない場合があります。その部分はAWS公式ドキュメントやSkill Builderの無料コースで補完してください。
レベル別の詳しい勉強戦略や教材の使い方は「勉強ガイド」にまとめています。
試験の申し込み方法
受験にはAWS認定アカウントが必要です。
- AWS認定アカウントにサインインします
- ピアソンVUEで「AWS Certified CloudOps Engineer - Associate」を選択します
- テストセンターまたはオンライン監督を選んで日時を予約します
- 受験料150 USD(20,000円)を支払います
- 当日は本人確認書類を持って受験します
テストセンターは全国にあり、日程は随時選べます。オンライン受験もできますが、部屋の片付けや外付けモニターの取り外しが地味に面倒です。初回はテストセンターをおすすめします。余計な心配なく試験に集中できます。
他のAWS認定試験に合格していると50%割引バウチャーがもらえます。150 USD → 75 USD(約11,000円)になるので、先にCLFやSAAを取っておくとお得です。
よくある質問
試験ラボ(ハンズオン問題)はありますか?
ありません。SOA-C02では試験ラボがありましたが、2023年3月に休止され、SOA-C03では廃止されました。全問選択式です。
SAAとDVA、どちらを先に受けるべきですか?
SAAが先です。この試験はSAAの知識がベースになるため、SAA → 本試験の順が効率的です。5試験合格者もCLF → SAA → SOA → DVAの受験順を推奨しています。私はSOA → DVAの順で受けましたが、SOAで学んだ運用の知識がDVAのCI/CDの問題にも役立ちました。
合格点は何点ですか?
720/1000点です。問題ごとの配点は非公開なので、正確に何問正解すれば合格とは言えません。
未経験でも合格できますか?
可能ですが、100〜120時間の勉強時間を見込んでください。先にCLFとSAAを取得してから挑戦するのが現実的です。
SysOps AdministratorとCloudOps Engineerの違いは?
2025年9月に名称が変わりました。試験コードもSOA-C02からSOA-C03に更新されています。試験内容も更新されていますが、運用・監視スキルを問う本質は同じです。
受験料はいくらですか?
150 USD(20,000円)です。不合格の場合も同額がかかります。14日後から再受験が可能です(AWS認定ポリシー)。
この記事を書いた人 — スピードスタディ編集部。AWS認定6冠(CLF/SAA/SOA/DVA/SAP/DOP)を保有するエンジニアが、AWS資格対策の学習プラットフォーム「スピードスタディ」を開発・運営しています。この記事の筆者はSOA(SysOpsアドミニストレーター アソシエイト)を778点で取得しています。

記事内の試験情報はAWS公式ドキュメントに基づいています。最新情報はAWS公式の認定ページでご確認ください。
Speed Study編集部
AWS認定資格の学習をサポートするSpeed Study公式編集部です。