AWS SAAの合格率は推定50-65%(CLFの70-80%より低い中級資格)です。私はAWS実務3年の状態でSAA(ソリューションアーキテクト アソシエイト)を受けました。正直CLF(クラウドプラクティショナー)の延長だろうと思って臨んだのですが、使ったことのないサービスが大量に出てきて、CLFとは全然違うと感じました。
CLFは「S3とは何か」を問う知識問題です。SAAは「この要件でどう設計するか」を問う設計問題になります。聞かれることの質が根本的に違います。自分の現在地と合格までの距離を見極められるよう、合格率の推定値・不合格者8人のスコア分析・落ちるパターンTOP3・他IT資格との比較を具体的な数字でまとめています。勉強時間の詳細は勉強方法ガイドを参照してください。
SAA対策記事の一覧
この記事はSAA(ソリューションアーキテクト アソシエイト)対策シリーズの1本です。
テーマ | 記事 |
|---|---|
SAAの全体像 | |
勉強の進め方 | |
難易度・合格率 | 難易度と合格率(この記事) |
教材の比較 | |
サンプル問題 |
→ この記事では「難易度」を解説しています。
CLFとSAAは「何を聞かれるか」が根本的に違う

では具体的に何が違うのか。CLFに合格した人が次にSAAを受けるケースは多いですが、「CLFの延長」と思ったら面食らいます。
項目 | CLF | SAA |
|---|---|---|
レベル | 基礎レベル | 中級レベル |
試験時間 | 90分 | 130分(+40分) |
合格ライン | 700/1000 | 720/1000 |
受験料 | 100 USD | 150 USD |
推奨経験 | なし | AWS設計1年以上 |
出題の本質 | 「〜とは何か」(知識) | 「どう設計するか」(設計判断) |
出典: AWS公式SAA試験ページ、AWS公式CLF試験ページ
問題数は同じ65問ですが、中身がまるで違います。CLFは「S3とは何か?」のような短い知識問題。対してSAAでは3-5文のシナリオが与えられて「この要件でどの構成が最適か?」と聞かれます。しかも、複数の選択肢が部分的に正しい。正解は1つですが、「最も適切なもの」を選ぶ判断力が必要です。
Redditの合格者たちの表現を借りると、「CLFは難易度2/10、SAAは5/10」「CLFは小学校、SAAは高校、SAP(ソリューションアーキテクト プロフェッショナル)は大学」。私自身、CLFはAWS経験3年だったのでほぼ無勉で約800点でしたが、試験では知らないサービスが次々に出てきて苦労しました。
なお、SAAは4分野構成(セキュリティ30%・弾力性26%・高パフォーマンス24%・コスト最適化20%)で出題されます。分野別の配分と頻出サービスは完全ガイドで詳しく解説しています。
合格率は推定50-65%(公式未公表)
AWSは全認定試験の合格率を公式に公表していません。「受験者の背景が多様すぎるため、合格率は指標として意味がない」というのがAWSの立場です。
ただ、複数のソースから推定値は出ています。
ソース | 推定合格率 | 備考 |
|---|---|---|
日本語記事5件の平均 | 50%前後 | 体験談・業界推定 |
EvolveSkill(英語) | 初回60-65% | 「40%が初回不合格」 |
StudyTech(英語) | 55-65% | 2026年時点推定 |
CLFの推定合格率70-80%と比べると、SAAは確実に低いです。とはいえ、これは「受験者全体」の数字。模試で80%安定してから受けた人に限れば、体験記からはほぼ全員合格している傾向が見えます。
正直なところ、合格率を気にするより「模試で80%取れるまで勉強する」方が建設的です。そこまで到達すれば、合格率が何%だろうと受かる側にいます。
他のIT資格と比べると
SAAだけ見ても難易度のイメージが湧きにくいので、他のIT資格と並べてみます。
資格 | 勉強時間の目安 | 問題形式 | 特徴 |
|---|---|---|---|
ITパスポート | 50-100時間 | 100問・120分 | IT基礎知識の幅広い確認 |
基本情報技術者 | 100-200時間 | 科目A+B・300分 | IT全般の体系的な理解 |
AWS CLF | 30-60時間 | 65問・90分 | AWSの基礎用語と概念 |
AWS SAA | 50-200時間 | 65問・130分 | AWSの設計判断力 |
応用情報技術者 | 200-400時間 | 午前+午後・300分 | IT応用力・記述式あり |
AWS SAP | 100-300時間 | 75問・180分 | 複雑な設計・最上位 |
ある合格者は「勉強時間で見ると基本情報技術者と同じくらいだが、問題の質は違う。基本情報は知識を問うが、SAAは設計の判断を問う」と書いています。また別の記事では「難易度はITパスポートと同程度」という主張もありますが、これは受験者層の違い(ITパスポートはIT初心者、SAAはクラウドエンジニア)を考慮した比較です。
IT資格の偏差値ランキングという物差しでも参考程度に位置を確認しておきます。KOTORA JOURNAL「IT資格の難易度徹底解剖」では、CLFが偏差値43、ITパスポートが45、基本情報技術者が49と整理されています。AWS SAAの偏差値は出典によって幅があり、業界の確定値は公開されていません。ただし上の勉強時間表と並べてみます。SAAはCLFより上、ITパスポートと同等〜やや上、基本情報と同等あたりに位置するのが業界推定の幅です。
私の感覚では、AWS経験があれば基本情報より簡単。経験がなければ基本情報と同じくらいか、それ以上に手こずります。SAAは「知っているかどうか」ではなく「使い分けられるかどうか」を問うので、経験の有無で体感難易度が大きく変わります。
応用情報技術者と並べると、勉強時間(応用情報 200-400時間 / SAA 50-200時間)も問題形式(応用情報は午前+午後で記述式あり / SAA は65問選択式)も大きく違います。応用情報が「IT全般を体系的に問う上位資格」なのに対し、SAAは「AWS設計の判断を問う中級資格」と問われる中身が別物です。「AWS SAAは応用情報の上下どちらに位置するのか」と聞かれれば、勉強時間と問題形式から見て応用情報のほうが重いというのが私の感触です。ただし「AWS設計の実務適用力」の有無ではSAAが直接的に効くため、目的次第で価値は変わります。
不合格者8人のデータから見える「落ちるパターン」

ここからは「落ちる人は何が違うのか」をデータで見ます。体験記から不合格スコアを8件集めました。
スコア | 属性 | 再受験スコア | 改善幅 |
|---|---|---|---|
622 | IT未経験10ヶ月目 | 833 | +211 |
657 | 営業職・異業種転職 | 747(3回目) | +90 |
約680 | 業務でAWS使用 | 約740 | +60 |
698 | IT3年目・CLF取得済み | 合格 | — |
699 | 自社開発エンジニア | 795 | +96 |
約700 | 3回不合格 | 合格 | — |
703 | フロントエンドエンジニア | — | — |
708 | 再受験 | 778 | +70 |
出典:
- 622点: sal-blog.com 不合格体験記
- 657点: serverworks 二度の不合格から合格
- 約680点: Qiita 不合格体験記
- 698点: note 一度不合格になったIT社会人
- 699点: Zenn 元不合格者の合格体験記
- 約700点: note SAA不合格日記
- 703点: ryotablog 不合格体験記
- 708点: DevelopersIO AI+手書きノートで再合格
不合格スコアは622-708点に分布しています。合格ライン720点にあと数十点という惜敗が目立ちます。
不合格原因のTOP3
8件の体験記を横断すると、不合格の原因は3つに集約されます。
1. 問題集の丸暗記(4件)。 同じ問題集を何周もして答えの番号を覚えてしまった。本番では同じ知識が別の聞き方で出るので対応できません。ある不合格者は「Ping-tで正答率90%だったのに本番は622点だった」と振り返っています。
2. 2択に絞った後の判断ミス(3件)。 消去法で4択を2択に絞れるが、最後の判断で毎回逆を選んでしまう。698点で不合格になった人は「2択まではいけるが決めきれない問題が大量にあった」と書いています。これはSAAの問題が「明確な正解」ではなく「最も適切な選択肢」を問うからです。
3. インプット偏重(3件)。 参考書を3周読んだが問題演習が足りなかった。SAAは設計問題なので、読むだけでは解けるようになりません。
不合格から合格した人の共通行動
再受験で合格した人の行動変化を見ると、パターンがあります。
追加の勉強時間は約60時間(1ヶ月程度)。やったことは「参考書中心→問題演習中心に切り替え」「同じ問題集の丸暗記→別の問題集でランダム出題」「答えを覚える→なぜ不正解かを考える」。
622点→833点(+211点)を達成した人は、2ヶ月の追加勉強で「ランダム出題にして丸暗記を防いだ」のが決め手だったと書いています。
よくある質問
Q. SAAに一発で受かる確率は?
推定50-65%です。しっかり準備すればもっと高くなります。模試で80%安定なら、ほぼ合格できます。
Q. SAA-C03になって難しくなった?
セキュリティ分野の配分が6%増えて30%になりました。問題文も長文化して、サービス名だけ選ぶ問題はほぼ消滅しています。対象サービス数も拡大しています(trendmicro分析では131サービス)。ただし「C02用の教材でもC03に合格は可能」という合格者の声もあります。
Q. 不合格だったらすぐ再受験できる?
14日後から再受験可能です。回数制限なし、毎回受験料は全額かかります。不正解ペナルティはないので、わからない問題も必ず全問回答してください。
Q. 65問中何問正解すれば合格?
採点対象は50問(残り15問は統計用で採点されません)。ただし720/1000のスケールドスコアなので、単純な正答数では判定できません。分野ごとの合格ラインもなく、全体で720点を超えれば合格です。
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難易度がわかったら、次は具体的な勉強法です。経験レベル別の3パターンと勉強時間の目安は勉強方法ガイドにまとめています。
教材で迷っているなら、おすすめ教材まとめでPing-t・Udemy・書籍の比較ができます。
SAAの試験概要・受験の流れ・費用まで全体像を知りたい方はSAA完全ガイドをどうぞ。
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Speed Study編集部
AWS認定資格の学習をサポートするSpeed Study公式編集部です。