AWSクラウドプラクティショナー(CLF)の合格率は推定60%(3〜5人に1人は不合格)。難易度は偏差値43で、ITパスポート(45)より少し易しい位置づけです。AWS認定12種類の中で最も入門的な試験で、IT未経験者でも30〜60時間の学習で合格を狙えます。
ただし「簡単」と聞いて油断すると落ちます。AWSは合格率を非公開にしていますが、複数の推定ソース(aws-exam.net 約60%、レバテックキャリア 50〜70%)から推定60%、本文では推定根拠と不合格パターン3件を具体的に整理します。
私はAWS認定を6つ持っていて、CLFは最後に取りました。807点。正直、もっと取れると思っていました。その経験も踏まえて、CLFの難易度を具体的に整理しました。
CLF対策記事の一覧
この記事はCLF(クラウドプラクティショナー)対策シリーズの1本です。
テーマ | 記事 |
|---|---|
CLFの全体像 | |
勉強の進め方・学習ステップ | |
必要な勉強時間・スケジュール | |
難易度・合格率・他資格との比較 | (この記事) |
教材の比較・選び方 | 準備中 |
→ この記事では「難易度と合格率」を掘り下げています。
CLFの難易度を一言で
IT資格としては入門レベルです。ただし、ITの前提知識があるかどうかで体感は大きく変わります。
あなたのレベル | CLFの体感 |
|---|---|
AWS実務経験あり | ほぼ勉強なしでも合格できます |
エンジニア(AWS未経験) | 2〜3週間で十分です |
ITパスポート程度の知識あり | 1ヶ月あれば合格圏です |
IT知識がほぼゼロ | 40〜60時間の学習が必要です |

英語圏のRedditでは「incredibly easy(信じられないほど簡単)」という評価が最多いいねを集めていました。ただしこれはIT経験者の感想です。IT未経験の方は、AWSの主要サービス30〜40個の名前と役割を覚えるところから始まるので、それなりの準備が必要です。
私の場合、上位資格を5つ取った後のCLFでした。テクノロジーとセキュリティは仕事の延長で解けましたが、請求まわりで取りこぼして807点。油断は禁物です。
勉強時間の詳しい目安は勉強時間の目安をご覧ください。
他のIT資格との難易度比較
偏差値43と言われてもピンとこない方が多いと思います。身近なIT資格と並べてみます。
資格 | 偏差値 | ひとこと |
|---|---|---|
MOS(Microsoft Office Specialist) | 39 | Officeが使える証明 |
CLF(クラウドプラクティショナー) | 43 | AWSの基礎知識 |
ITパスポート | 45 | IT全般の入門 |
CCNA(ネットワーク) | 46 | ネットワークの初級〜中級 |
基本情報技術者 | 49 | エンジニアの登竜門 |
出典: KOTORA JOURNAL「IT資格の難易度徹底解剖」 ※偏差値はKOTORA JOURNALの独自評価であり、AWS公式の発表ではありません。

ITパスポートを持っている方なら、CLFは射程圏内です。基本情報技術者を持っている方なら、かなり余裕があるはずです。
注意点が1つあります。CLFは「IT全般」ではなく「AWSのサービス」に特化した試験です。EC2、S3、Lambdaといったサービス名と役割を覚えなければ解けません。ITの基礎知識があっても、AWS固有の暗記は別途必要です。
ドメイン別の難しさ
他資格との比較で全体の位置づけがわかったところで、CLFの中身を見ていきます。出題は4つのドメインに分かれていて、ドメインごとに難しさの質が違います。
# | ドメイン | 配分 | 特徴 |
|---|---|---|---|
D1 | クラウドのコンセプト | 24% | 概念理解が中心 |
D2 | セキュリティとコンプライアンス | 30% | 責任共有モデルがカギ |
D3 | クラウドテクノロジーとサービス | 34% | サービスの暗記量が最大 |
D4 | 請求、料金、サポート | 12% | 配点は小さいが、知らないと解けない |
D3(テクノロジー)とD2(セキュリティ)で合計64%。この2分野が合否を左右します。
D3はEC2・S3・Lambda・RDS・DynamoDB・CloudFrontなど、主要サービスの特徴と使い分けが問われます。サービス名と役割の暗記量が一番多い分野です。不合格者の体験記でも「サービスの違いがわからなかった」という声が目立ちました。
意外と落とし穴になるのがD4です。配点12%。小さく見えますが、サポートプランの4種類(Basic/Developer/Business/Enterprise)の違いやリザーブドインスタンスの料金体系など、知識がなければ手が出ない問題ばかりです。
テクノロジーとセキュリティは仕事で触るサービスばかりで、解説を読まなくても答えがわかりました。止まったのはD4です。サポートプランの違いを聞かれたとき、一瞬固まりました。普段の業務では意識しない分野です。「たかが12%」と甘く見ていたのが、そのままスコアに出ました。
合格率はAWSが公表していない
ドメインの難しさが見えてきたところで、「結局、合格率は何%なのか」に触れます。
AWSは合格率を公表していません。CLFに限らず、全12種類の認定資格で共通の方針です。
ネット上で「推定60%」「約70%」といった数値を見かけますが、根拠が明示されていないものがほとんどです。正直、断言できる数字はありません。
複数のソースから推定すると、約60%(aws-exam.netの推定値)を中心に、50〜70%が妥当なライン です。
推定元 | 合格率 | 根拠 |
|---|---|---|
レバテックキャリア | 50〜70% | AWS認定全体の分析 |
aws-exam.net | 約60% | 類似試験からの類推 |
推定値は 複数ソースの中央値60%、合格者の感覚値では3〜5人に1人不合格(失敗率20〜33%) と幅があります。「AWS最易」と言われていても、準備不足なら普通に落ちます。合格率の数字で安心するより、模擬試験のスコアで自分の仕上がりを判断する方が確実です。
合格点の仕組み
合格率とセットで知っておきたいのが、合格点の仕組みです。
CLFの合格ラインは100〜1,000の換算スコア(scaled score)で700点。試験は65問、制限時間90分です。
「700/1000=正答率70%で合格」と書いている記事をよく見かけますが、正確ではありません。AWSはスケールスコアという仕組みを採用しています。問題の難易度に応じて配点が調整されるため、単純に「何問正解すれば合格」とは言えません。
採点対象外の15問
もう1つ押さえておいてほしいのが、採点対象外の問題です。65問のうち採点されるのは50問。残り15問はAWSが将来の試験設計のためにデータを収集する目的で含まれています。
どれが対象外かは受験者にはわかりません。「この問題は捨てていい」という判断ができない仕組みです。全問真剣に解いてください。
模擬試験80%が安全ライン
換算スコアの性質上、正答率70%では合格に届かない可能性があります。模擬試験で安定して80%以上を取れる状態が安全ラインです。
合格者45件のデータでも、スコアは749〜838の範囲に収まっていました。80%を目安に準備すれば、700を余裕で超えられます。
不合格になる人の共通パターン
合格点の仕組みを踏まえた上で、実際に不合格になった方の事例を紹介します。「簡単」と言われるCLFでも、落ちる人には共通パターンがあります。

暗記だけに頼って21点足りなかった
IT未経験から1ヶ月間CloudTechで学習してCLFに挑んだ方の事例です。結果は21点足りず不合格。
振り返りで語られた原因が印象的でした。「サービスの名前は覚えた。でもS3とEBSの使い分けを聞かれたときに答えられなかった」。CLFは暗記で解けそうに見えて、実はサービス間の比較問題が多い試験です。名前を覚えただけでは通用しません。
参考書だけで挑んで673点
参考書を読み込んで自信を持って受験した方が、673点で不合格でした。あと27点。
再受験で変えたのは1つだけです。Udemyの演習テスト6セットを繰り返し解いたこと。参考書で「わかった気」になっていた部分を、問題を解くことで洗い出した結果、合格しています。読むだけでは足りません。解かないと見つからない穴があります。
3回不合格、でもSAAは一発合格
CLFに3回落ちた方がいます。ただし、その後SAA(ソリューションアーキテクト アソシエイト)に一発で合格しています。
何が変わったかというと、毎回同じ参考書と問題集で受け直すのをやめて、学習方法を根本から見直したそうです。不合格の原因を分析せずに同じやり方でリトライしても、結果は変わりません。
出典: アジアクエスト「CLFに3回落ちた私がSAAに一度で合格」
不合格者に共通する弱点分野
3件に共通していたのは、D3(テクノロジー)とD4(請求・料金)での得点不足です。D3は出題比率34%で最大のウェイト。ここが弱いとシンプルに点が足りません。D4は12%ですが、知らないと手が出ない問題ばかりです。
対策は明確です。問題集を繰り返し解いて弱点を見つけ、集中的に補強してください。具体的な勉強方法は勉強方法ガイドにまとめています。教材のしっかりしたまとめは現在準備中です。
よくある質問
Q. AWSで一番簡単な資格は?
CLF(クラウドプラクティショナー)です。AWS認定12種類の中で唯一のFoundational(基礎)レベルで、最も取りやすい資格です。
Q. 落ちたらどうなりますか?
14日後に再受験できます。受験料(100 USD、為替により変動)は毎回かかるので、スコアレポートで弱点を確認してから再挑戦する方がお得です。
Q. 独学で受かりますか?
受かります。合格者のほとんどが独学です。参考書1冊(約3,000円)+ Udemy模試(セール時約2,000円)の計5,000円程度が最も多い組み合わせでした。無料教材だけで838点を取った合格者もいます。
Q. IT未経験でも合格できますか?
合格できます。40〜60時間の学習が必要ですが、3ステップ(基礎固め→問題演習→弱点補強)を踏めば十分狙えます。具体的な勉強方法は勉強方法ガイドをご覧ください。
Q. CLFだけで転職に有利ですか?
正直なところ、CLFだけで転職市場が大きく変わることはありません。非エンジニアがクラウドの基礎を証明するには有効ですが、エンジニアとしてアピールするならSAAまで取るのが一般的です。
Q. 過去問はありますか?
AWSは過去問を公開していません。AWS公式練習問題集(無料・20問)やUdemy模擬試験が代わりの定番です。教材のしっかりしたまとめは現在準備中です。
CLFの試験対策にはスピードスタディも活用できます。月額980円〜で、CLFを含むAWS認定の問題演習ができます。
この記事を書いた人 — スピードスタディ編集部。AWS認定6つ(CLF/SAA/SOA/DVA/SAP/DOP)を保有するエンジニアが、AWS資格対策の学習プラットフォーム「スピードスタディ」を開発・運営しています。この記事の執筆者はCLFを取得しています。
記事内の試験情報はAWS公式ドキュメントに基づいています。最新情報はAWS公式の認定ページでご確認ください。
Speed Study編集部
AWS認定資格の学習をサポートするSpeed Study公式編集部です。